フィルムカメラの薦め

2020年5月19日

今の御時世に何故フィルムカメラを薦めるのか。……
例へば、畫素數がそすうで言ふと壓倒的あっとうてきにデジタルカメラの方が優れてゐる。
(──最新のものは、五千萬畫素ぐらゐあつたやうに思ふ)
其れでは、何故フィルムカメラを使ふのかと云ふと、此の前にも少し觸れたが、フィルムには人の情や自然の溫かみが寫るからである。

物事の外側を撮りたいならデジタルカメラ、物事の內側を撮りたいならフィルムカメラと私は言ふやうにしてゐる。

上記の畫素數にもあるやうに、デジタルカメラは「綺麗」な寫眞しゃしんが取れる。
……が、あくまでも表面的なのだ。
綺麗な筈なのに、美しくはないのである。
──唯、何かを記錄したり、手ぶれ補正だの、連寫だの、機能面に於いてはフィルムの軍配が上がることはない。

逆に、フィルムカメラはデジタルに比べると「綺麗」な寫眞は撮れない。
……が、內面の溫かみ、情感を撮ることが出來る。
結果、美しい寫眞となるのだ。
試しに、特に何も感じない殺風景を撮つてみると好い。
デジタルカメラは殺風景がそのまま殺風景らしく綺麗に寫されるが、フィルムカメラでは殺風景が何となく繪になり風景となる。

無論、時が進むにつれ、フィルムと殆ど變はらない、或はフィルム以上に內面を撮れるデジタルカメラは出るかもしれない。

けれど、現狀では未だ、フィルムカメラにしか出せない味もあることをどうか覺えてゐて欲しい。

興味があれば、いきなりレンジファインダーや一眼レフと云はずとも、寫ルンですなどから始めてみると好い。